衰え

孫のリュウスケは今春もう高校一年生になりました。
あと4，5年したら一緒にお酒が飲めるなぁ、と、この間我が家に来た時話しました。
私があと４，５年元気で生きていたらでしょうけどね。

「おじいちゃん、将棋しようか。」
と突然言って来ました。
小学校の時は竜馬（飛車と角）落としても私に勝てなかったので、
「うん、久しぶりにやろうか。何を抜こう？」　と言うと、
「うう～ん、平手で。」
平手とはハンデなしの通常勝負です。
「えっ、ほんと？　強くなったの？」

リュウスケが先手で始まりました。
うん？
さすが進歩してるなぁ、と思いながら・・・・

な、なんと負け！

娘家族、我が家族の居る前で、

「リュウスケ、負けました！」

みんな驚いていました。

自慢しますが、私は若いころ小さな大会ですが何度か優勝してかの天才加藤一二三名人（当時）から記念の扇子と５段の免状を頂いた者です。

それがリュウスケごときに負けるなんて！

聞けばリュウスケはネット将棋では初段で指しているそうです。
ネット初段でそこそこさしているなら実際は２，３段。

もう一番、やりました。
お酒が回っているけど関係なし！

また負けました～～～～

三番目、酒コップを置いて正座して・・・・
そして私が先手で・・・・（先手とは相手より下だから）

三番目にやっとやっと勝てました。
（いや、もしかしたら勝たせてくれたのかも。。。）

家族の前で大恥・・・・

＜・・・えらそうに自慢していたおじいちゃん、あの程度だったのか？・・・・＞
みんなそう思っていたかも知れません。

いやぁ、リュウスケ恐れ入りました。
強くなったね！

私は潔く敗北の宣言を致しました。

思えば、神武以来の天才と言われた加藤一二三も最後の勝負に負けて引退。

奇遇なことに、
今の大天才藤井聡太名人の最初の公式勝負が加藤一二三先生でした。
加藤は負け。
「立派な後継者が出て来てうれしい」と。

そう言えば、
昭和の大名人、木村義男名人が大山（後の大名人）に敗れ去った時にも、
「立派な後継者が現れてうれしい」と言いました。

大天才も歳には勝てないのです。
悔しいけどね。

今まで自分の成しえた功績があるから言える一言なんでしょう。

私は・・・・ただの衰え・・・か。

もちろん、そのような変な言い訳せず、

　ただ　負けました！

それでいいでしょう。

でも・・・・・

また相手してくれたら頑張りますよ～

老いとともに暮らす・・・
ただ暮らすのでなく何か向かう物を持って。

今日はひたすら悟りの無い自分に言い聞かせました。

（７年前子供将棋大会にて・青シャツのリュウスケ）

コメント 4

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そうでやすね、どんな分野の天才でも、年を取ると、頭がにぶってきやすもんね。
それにしても、リュウスケくん、すごいでやす！
by ぼんぼちぼちぼち (2023-07-29 12:00) 

＞ ぼんぼちぼちぼちさん、
不思議です。
自分ではまだまだいけると思っているのに衰えているのですね。
ええ、それを悲しむより若い人の勢いを喜ぶべき・・・
少しそう思えるようになりました。
by HOLDON (2023-07-29 20:56) 

リュウスケ君の名前が登場するたびに、「え、もうそんなに大きく…」とびっくりです。
将棋3戦目は、たしかにリュウスケ君の心遣いと思えば、その成長も喜べるというものですね。
小さい頃からおじいちゃんの「小さくも華麗な（？）戦績」にあこがれていたのでしょう。
ひそかに腕を磨くと同時に、心も磨いてきたんですね。
完敗、もとい、乾杯です＾＾
by 辻基夫 (2023-08-01 10:34) 

＞辻基夫さん、
あ、お久しぶりです～
ずっとご無沙汰ですいませんでした。
そうですねぇ。
もうリュウスケ１６歳ですよ～
おっしゃる通り。
心を磨いてこそ腕も磨ける・・・・
それでないと２，３段になれませんものね。
嬉しい完敗でした。
ほんと、４，５年先に乾杯ですね～（笑）
また音楽でお伺いしますね～
今日はありがとうございました～
by HOLDON (2023-08-01 21:01)